恋におちるまで

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「全部、全部絵にした。君がいつか気付いてくれる事を信じて」                ――トクン                と跳ねる胸。               「展示会が始まったら毎回ここに来てた。気付いて、今みたいに走ってくる君を想像しながら」                トクン、トクン……                大きく跳ねながらも一定のリズムを刻む胸。               「そして俺は、君の絵を描く後ろ姿を描いたんだ。アトリエも全く同じに、ヘッドホンをさせて」                あの時、どこか見覚えがあったのは私のアトリエだったからなんだ。               「今度こそ気付いてくれるって思ってたのに、来てくれなかった」                ちょっとしか見れなかったから……               「だから、わざと音をたてて気付かせたんだ、俺が君のアトリエに来てる事を。――俺の存在を、君に」
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