詩音の想い<崩壊>

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「あ・・。」 思わず腕時計をみた。 2月・・4日。 あたしの誕生日。 「二十歳おめでと。 俺が学年下なのに 先に二十歳になっちゃったけど。 これで同じ歳だ。」 慎吾の表情が うかんでくる。 会いたいよ 会いたいよ 今すぐ。 「今日・・会いたい。 ちゃんと詩音の誕生日を祝いたい。」 きゅん、 胸がなった。 あたしの想いが通じたの? あたしがいってほしいこと、 あたしがいいたいこと、 どうしてわかるの? 「・・ありがと。」 これしかいえないあたし。 かわいくない。 どこまであたしを・・ ここまであたしを あなたは受け入れてくれるの? 「何時くらいから空いてる? 俺、2時半まで授業あるけど そのあとなら大丈夫だよ。」 慎吾・・。 「・・駅で。 学校前の駅で待ってる。」 思わず声が震えた。 会いたい。 会いたい。 会いたい。 嫉妬も 全部とっぱらって。 不安も全部ぬぐって。 ちゃんと話すから。 藍子のこと お母さんのこと あたしの気持ち。 「うん・・待ってて。」 「慎吾。」 思わず声がでた。 「うん?」
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