異世界人

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とりあえず、巨大蜂だけでも仕留めなくては。左肩から生える銀色の針の根元は真っ赤に血で染まっている。 痛みをこらえて立ち上がる。しかし、痛みが激しくて刀を握り締める事が出来ず、地面に落としてしまった。 巨大蜂はそれを好機と判断して、満身創痍な体に鞭を打ってこちらに飛んでくる。 ゆっくりとした時間が流れる。‥‥あぁ俺は死ぬのか。 何故か死を認めてしまう。死を目前にしながら何故か冷静である。 だが、どうせ死ぬなら抗って、抗って、抗ってから死んでやるんだ。 俺は空手の構えを巨大蜂に向かって、ゆっくり準備する。 この一撃に‥‥全身全霊を賭ける。蜂と俺の体がちょうど得意の間合いに入った。 戦いはまさに一瞬でケリが付いた。蜂の針が体に触れるよりも早く、俺の右腕から放たれた拳が蜂の腹を貫いた。 俺の突きは極めて早く、正確に急所を狙い、確実に相手を打ち砕く。そう鍛えられてきた。
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