蜻蛉編

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目を覚ますとそこには両親がいた。今回は随分前に戻ったのだろうか… 両親と過ごす日々をどこかで願っていた世界… 「…羽入いるなら返事して」 「あぅ…ここにいるのです」 巫女の姿をした少女が現れた。 「今は昭和何年なの?」 「昭和58年の6月15日なのです」 「…えっ」 「なんで…両親が生きているの?どういう事?」 「さ…沙都子は?沙都子は何をしているの?」 「沙都子は…雛見沢にはいませんですよ」 羽生は目をそらして答えた。 羽生は中々沙都子達の事を話してくれなかったので、両親に沙都子達の事を聞いてみた。沙都子は両親から虐待を受けて児童相談所に保護された後に、どこかいなくなったと。レナと圭一の事は知らないと言っていたから、雛見沢には転校してこなかったのだろう。魅音は、園崎家の跡継ぎの為に去年から学校にきていないと。誰もいない世界。雛見沢症候群もなく、入江や高野もいない。平和な日々…誰も悲しい思いをしていないはずなのに、私は寂しいと思ってしまった。血なまぐさいけど、あの世界の中で仲間と過ごした日々に戻りたいと思った。
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