蜻蛉編

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学校に行っても仕方ないと思いつつ、教室につくなり席についた。変わらない風景だけど、皆がいない。圭一がいない時はあったけど、沙都子や魅音・レナ・悟史がいた。時折詩音もこの教室にきていた。 梨花はため息をつき教室を見渡した。 …あれ?なんか少ないような… いつもと変わらない教室だけど違和感を感じた。でもそれは皆がいないからなのではないかと梨花は思った。 「今年の祭りも楽しみだね」 村人の会話が聞こえる。いつもなら私は祭りの数日後かに殺される。今度もまた殺されるのだろうか?でも皆がいない世界に生きていても… 「梨花…」 羽入が心配そうに梨花を見つめていた。 …祭りの日… 巫女の姿をした梨花がいた。 「こんなにつまらない世界は初めてだったわ」 両親がいて穏やかな日々だったけど、心から笑う事ないの日々だった。何事も起きなければ私はこのまま成長出来るのだろうか?そしたら沙都子や圭一に会いに行こう。そしたらこの世界も悪くないはずだ。 祭りが始まり梨花の母が舞を舞う。 「梨花ちゃまこっちに」 「今いくですの」 言われたままについて行くとそこは祭具殿だった。梨花は中に入れられて柱に縛り付けられた。
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