蜻蛉編

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「そんな…沙都子…沙都子はなんで選ばれたのよ?」 「ダム戦争の最中に沙都子の両親が沙都子を売ったのです。それに反抗した悟史は次の年に…」 …両親が言っていた事は嘘だったのね… 「じゃあ…魅音や詩音は?」 「園崎家では双子は禁忌なので生まれた年に妹は人柱にされたのです。候補がいない時はくじで人柱を決めていたのです。でも魅音は悟史と恋仲であって沙都子と悟史を失って精神的に壊れてしまって、人柱の候補を希望して自ら命を絶ったのです。」 目の前が暗くなっていくようだった。離れていても幸せに過ごしていると信じていた…でも今の雛見沢に、レナと圭一がこなくて良かった。 えっ…まさか…………いや…………ウソダトイッテ… 梨花が見た先には竜宮礼奈と前原圭一の名前があった。 「なんで圭一の名前があるのよ!」 「候補者が祭りの前に亡くなってしまった為に雛見沢に遊びにきた少年に変わりになっていただいたのです」 「そんな事許される訳がないでしょ!」 梨花は羽生に怒鳴りつけた。そして一枚の紙切れを見つけた。 …昭和○年○月○日 前原圭一君が両親と共に興宮の旅行中に間違って沼にはまった事から警察は事故死として発表した… 目の前が真っ暗になっていく様だった。わずかな希望が消えたのを感じた。そして梨花の目の前に鍬が降ろされた。
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