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あの日の朝はいつもより少しだけ青くて、それは本当は喜ぶべき色合いなのはわかっていたけど、それでも僕らの寝室はもっと薄暗い色をしていた。
いつも隣で寝ている女の子は、今朝もいつもと同じように僕が目を覚ましていることにも気付かずに、すやすやと眠っている。何事も無いかのように。
いや、実際彼女にはなにも無いのだ。なにかあるのは僕の方だ。僕が選ばなくてはならない。サイコロを持っているのは僕だ。僕が転がさなくてはいけない。いつまでもサイコロを持ったまま、彼女を待たせるわけにはいかない。
すごろくと一緒だ。
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