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彼女が他の男と関係を持ったのは、もうずいぶん前のことだし、一回きりのことだったの、と彼女は言った。僕は彼女の言っていることは、本当だと思う。嘘をついているわけじゃないと思う。本当にずいぶん前のことで、それもたった一回のことなんだろう。
誰だって一度くらい過ちは犯すものさ、と僕は僕に言い聞かせようとする。許してやれよ。
「わたしが愛してるのは、あなただけなの」
と彼女は言う。
僕はなにか言わなきゃ、と思う。ここは重要な場面だ。僕がどう答えるかによって、僕ら二人の道は大きく変わる。
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