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彼女は待っている。僕の言葉を。たとえそれが僕らの愛の終わりを告げる言葉だとしても。でも僕にはなにも答えることができない。
彼女の寝顔を見ながら、僕は今日こそは言わなければ、と思う。サイコロは僕が持っている。僕が転がさないといけない。どんな目を出すにしても。
そして彼女が目を覚ます。
僕は彼女を見る。
彼女は僕を見る。
おはよう、と僕は言う。
おはよう、と彼女も言う。
僕の中から、また言葉が消え去ろうとする。僕はそれを必死で捕まえる。
彼女は待っている。
そして、僕は答える。
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