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あまりにも孤独だった僕は、会社に行く途中の小道で汚らしい野良猫におはようと言ってみる。周りに誰もいないのを確認しながら。
「気やすく話し掛けるなよ」
と猫は答える。
猫が普通に話すことに僕は驚き、アホみたいに口をポカンと開けている。
そんな僕を見かねて野良猫はさらに言う。
「そんなに驚くなよ。この世界にはおまえの知らないことだって沢山起こるんだよ」
野良猫はそう言って、小さなため息を吐く。
「いやいや、猫が喋るなんて誰も知らないよ」
と、僕は冷静な振りをして言う。
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