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「ね、願い?」
恐怖で床に尻餅をついた神原は震えた声で言った。
『ああ、何でもいい。本当に望むものだぁ』
ガーゴイルは背中から漆黒の翼を広げた。
その姿はガーゴイルよりも死神に近かった。
「そ、そんなこと……い、いきなり言われたって」
事態が少しずつ飲み込め、うまく働いてくれない頭を精一杯働かせた。
『だったらいつまでも待っているぞ』
言い放つと壁をすり抜け、大空に飛び上がった。
これが神原とガーゴイルの出会いだった。
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