ある、雨の夜に。

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翌朝。 ソファで目覚めると、晴れやかな表情をした美郷が寝ぼけた僕の顔を覗き込んでいた。 昨夜の泣き腫らした瞳が嘘みたいに輝いている。 朝陽に照らされた姿が眩くて少し見とれてしまった…。 「おはよ。先に行くね。」 少し恥ずかしそうに微笑んで、颯爽と、余韻も残さずに部屋を出ていってしまった。残されたのは香水の仄かな香りだけ。 あれ? あんなに散乱していたゴミが綺麗に片付けられている。 『ありがとう。元気でた。』 テーブルの上には短い手紙と温かい珈琲。僕好みの砂糖抜きで。 こんな関係は他人の目にどう映るだろう。 決して恋人同士にはなり得ない僕ら。 でも、深い魂の繋がりを感じる…そんな女性。 僕の親友。 親友の役に立てた至福に包まれて、定刻が迫る僕は急いで身支度を始めた。
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