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「今はってことはいつかは・・・・・。」
「時が満ちたらな」
修一は首を縦に振り両手で剣を持ち、それを軽く握り上へ上げる。震える、そんなもの持てば震える。人として当たり前だ。ただそれにも勝る感情があるかのように・・・。
「軽い・・・僕はこれで戦う・・・?」
「それにしても、展開が速いな・・・・。相手は何か急いでんのか?」
天満は冬也の言葉に少し耳を傾けたが、聞かなかったかのように手に持っている光の物体を持ち直した。
「修一、行け!止めはお前が刺さなくてはいけない!」
「は、はい」
修一は、あまり気が進んではいなかった。止めを刺すといっても相手はまだまだ動ける状態だ。
それを一人でやるとなると初めての修一には重荷だった。その緊張を和らげるためか、詩音はこうささやいた。
「大丈夫、私が援護します。」
「う、うん」
そういって、修一は堅く剣を握った。でもその手はかすかに震えている。
その後スグに、修一は一歩後へ下がった。
「やっぱりこんな事できないよ。僕には無理だよ!できるわけないじゃないか!!!」
その言葉は、一気に修一の口から外へ出た。
そしてその言葉を聞いた冬也は、修一の顔をおもいっきり叩いた。
「ふざけんなよ!!だったら俺が変わりにやってやる!!それ貸せよ。・・・・・・・・・・お前にしかそれは持てないと思うけどな、今のお前は何にももってないほうがましだ!!」
「ぼ、僕は・・・・・・・・。僕だって、こんな事早く終わらせたいよ!だけどできないんだよ。」
「僕だって、僕だって!!!!!!!!」
そして修一は吹っ切れたように言葉を放つ、その勢いにさすがの冬也も押されていた。
しかし、冬也はにやりと笑っていた。
その後スグに、修一の目つきが変わった。
「おい、冬也!よくもまぁ、俺の顔殴ってくれたな?えぇ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・、出てくるのおせぇよ、和弥。」
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