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ピッピッ …ピィ------ッ
母が死んだ。
あの、馬鹿みたいにいつも冗談を言っていた母が。
家に一人、母の帰りを待っている私を気遣って、仕事を無理矢理片付けてまで帰って来てくれた母が。
台所で私と言い合っていた母が。
――私を一人にしないでね――
そう、悲しそうに私に言っていた母が。
私を残して死んでいった。
…一人で…
「――っ!お母さん…!!」
叫んでも返事は帰ってくるはずもなく。
私はさらに泣きじゃくった。
「お母さんっ!私を…私を一人にしないでぇっ!!」
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