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シン「ヒカルさんは水なんだ…でもどうやってばれないように?」
興味深々のシンにそう聞かれて、面倒くさそうな表情をしながら答える。
ヒカル「説明するより、やるから見なよ」
そう言うとヒカルは両手を空にかかげて集中し始めた。すると液体(水)がシャボン玉のように丸く大きくなり皆を囲んだ。
ヒカル「これでオメガや気配を感じられることはない。でも目には見えるし触れれば感触はちゃんとあるから」
シン「目には見えるって…じゃあ結局どこかに隠れなきゃじゃ…あ、ごめんなさい」
少しがっかりしたシンはボソボソと呟いた。しかし謝るときだけははっきりした声で頭を下げながら謝った。
ヒカル「………まぁその通りだけど隠れるのはよくないと思うけど?」
シン「え?」
シンはヒカルに言われた言葉の意味を考えようとしたが直ぐ様レナが割って入った。
レナ「そうだよ!みんなここら辺に向かって来るのにこの辺に隠れるなんて意味ないじゃん!?」
シン「…でも、そもそもみんなもアカリを総司令官の所に連れていく事が目的だし……ぃや、そうだな。とにかく俺たちで連れていこう。いい?アカリ…」
シン達のやりとりをボーッと見ていたアカリ。
少し淋しそうな感じで口を開く。
アカリ「…はい。わたし信用されてないんですね?」
シン「俺たちのボスはね。でもここにいるやつらはみんなアカリを信用してるから安心して」
アカリ「…わかりました」
少し考えた後、微笑みながらそう答えた。しかしその時そこにいた全員がアカリの表情が微笑んでいるようには見えていなかった。
シン「…よ、よかった。よし行こう!よろしくレナ」
アカリは信用しているか、疑っているかよくわからない表情で、おそらく、五分五分といった感じだろう。と、勝手にそう思い込んでいた。
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