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友達に聞いても、全然教えてくれなくて、
それどころか、
『事実は、絶対に聞かない方がいい!!』
と言われて、私は、ますます、気になってしまった。
『聞かない方がいいって…浮気でもしてるの?』
って聞くと、友達は、少し、困ったような感じで、
『そういうわけじゃないけど…とにかく、アイツとは…あまり二人っきりにならない方がいいかも…。』
なんて言うから、私は、ビックリして、目を丸くさせながら、友達の顔を覗き込んだ。
『それ…どういうこと?
私は、修士と付き合ってるのに、二人っきりになるな!って…
そんなこと言ってたら…デートも何もできないじゃん!!』
私がそう言うと、友達は、震えた声で、
『…俺の口からは、これ以上は言えないよ…。』
とだけ言って、黙りこんでしまって、
友達は、急に立ち上がって、
『じゃあ、俺、帰るよ!!こんなとこ、アイツに見られたら、柚花ちゃんも危ないし!!』
と、それだけ言い残して、友達は帰ってしまった。
《二人きりで会わない方がいいとか、
友達と話をしてるだけで、私も危ない!!ってどういうこと!?
意味が分からないよ。》
友達の言葉の意味を何度も何度も頭の中で繰り返して考えていたけど、
どうしてなのかは、いくら考えても答えが出なかったし、
私は、その忠告を聞かずに、この先、二人っきりになることを、選んでしまったのだ。
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