国王アルダ

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「誰もたどり着くことができない、北の森の奥深くに、北の魔女は住んでいます。 ルーファスは、己が習得した高い魔術によって、北の森に入ることができました。 私も、一度連れて行ってもらったことがあります」 セシリアは、ここで一つ大きく深呼吸した。 まるで自分の心を落ち着けようとするかのように。 「次に魔王が復活する時までに、ルーファスの代わりに魔王を封魔界に封じる魔術師を育てる。 それに関わる話し合いを、北の森の北の魔女の館でするために……」 セシリアは、辛そうにギュッと両手を握りしめ、それでも気丈にアルダに言った。 「あなたには、双子の弟がいます。知っていますね?」 「あ、はい。3歳の時に行方不明になった、オルコア……」 このアルダの返答も、セシリアは苦笑して首を横に振ることで遮った。 「オルコアは、行方不明になったわけではありません。 あの子は、ルーファスの為し得なかった魔王封じをするために、3歳の時にルーファスに連れられて北の森に行き、北の魔女に預けられ、そこで魔術の修行をしているのです。 オルコアはちゃんと、生きているのですよ」 アルダは、それこそ知らなかった驚きの事実に、目を見開いたまま言葉を失った。
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