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「今、魔王が何者かの手によって召喚され、復活しました。
北の森で、オルコアはきっと、素晴らしい魔術師に成長しているはず。
北の魔女が今だと判断すれば、オルコアは今すぐにでもここに帰ってくるに違いありません。
アルダ、それまで、城の中の者達が少しでも落ち着いて過ごせるように、采配を」
オルコアが帰ってくる……?
アルダは、少し曖昧に微笑んだ。
「分かりました」
セシリアは、アルダの複雑な表情が少し気にかかったが、そのまま静かに玉座の間を後にした。
セシリアが退室したのを見届けると、アルダは力なく玉座に腰を落とした。
「アルダ王。今は一時も気を抜けない状況です。しっかりなされませ」
厳しい口調で、クレオーニア伯爵がそう言った。
アルダは、ギュッと目を瞑ったままコクッと頷いた。
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