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この時、アルダの心中には不思議な感情が渦巻いていた。
ここしばらく、王宮内は私利私欲の念が渦巻いている。
自分こそ特別な対応を……と目論む貴族達が、アルダに下心一杯で近付いてくるのだ。
アルダは、残念ながら純粋な気持ちで母が言った弟の身の上と帰郷の可能性を聞くことが出来ずにいた。
またやっかいな人物が増える。
なぜなら、オルコアは第二王位継承者に当たる。
本当に生きていて、前王妃が言うようにオルコアがここに帰って来たならば、地位、家紋の栄光に見境がない貴族達が騒ぐのが目に見える。
権力争いが、また一段と複雑になるのは必至だった。
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