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「ゴンちゃーん!」
北の森に元気な声が響いた。
森の木々の間を軽く飛び移りながら、最後に空中に向かって大きくジャンプした少年を、風を切る音と供に現れた大きな翼の生き物が飛来しキャッチする。
「ハハッ! さすがだゴンちゃん、タイミングピッタリだね!」
大きな鍔の帽子の端っこを少しだけ持ち上げて、彼はその翼の生き物に話しかけた。
「オルコア、ゴンちゃんってのは止めろ! 俺にはルーゴンフィーという名前がある。 力が抜けるわ!」
その生き物は、低く響く声で不服そうにそう言った。
「だって、名前長い。ゴンちゃんでいいじゃないか。
かわいくて私は好きだ」
少年の名はオルコア。今年18歳になる。
ここ、北の森で3歳から育ち今に至る。
育ての親は北の魔女。
いつから生きているのか、いつからここに住んでいるのか分からない、白銀の長髪、白銀の瞳を持つ美女である。
食料の調達をしに森へ入っていたオルコアは、北の魔女の使い魔、沈丁花の精霊カレンディーナに、北の魔女が呼んでいるからすぐに帰ってこいと言われて、急遽帰宅することになった。
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