北の森の北の魔女

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「オルコアよ。魔王を召還した者がおる。私の未来の記憶の通りだ。 お前の故郷であるフィルグリーンズ王国が、魔王によって随分と荒らされた。 城は、お前の父、ルーファスによって施された結界に守られておるから、城の敷地の中におる者、うまく逃げおおせた者は助かったが、多くの民は災厄に見舞われた」 北の魔女は、ゆっくりと立ち上がりオルコアに歩み寄った。 「オルコアよ、分かっておるな…… お前はこの、未来の記憶である魔王の出現のために、今までここで修行をしてきた。 今、その時が来たのだ。 行って魔王を封印し、民を救ってくるのだ」 オルコアはニッコリとすると、深く頷いた。 「母様、魔王を召還したのはやはり……」
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