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ある日とあるコンサート広場でひとりのギタリストが舞台中央の椅子に座った。 若く特に名も無い、少し背の高い綺麗な女性だった。 客の入りはバラバラだったが、誰もが彼女に目をやっていた。 『ただの趣味女だろう』 誰もがそう思った。   二年後、彼女は国をあげての人気者アーティストになった。聞く人間ほぼ全てが彼女を讃えた。 当時、インディーズで出ていた一枚目の自主制作レコードには“ソミア”が写っていた事に気付いた人はいなかった。
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