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戦争が終わったとはいえ、何もなくただただ廃墟が残っただけの町があった。
爆弾を落とされ、銃撃戦が行われ、敵味方はもちろん現地に住む人関係なく死んだ。
あたりからはまだまだ嫌な臭いがたちこめ、誰かが捨てた爆薬が暴発したりして戦争なぞ終わってはいない状態だった。
あるのは絶望だった。
生きるだけ辛いと言うのもいた。
そんな時、路地―と言っても建物なぞ破壊されてそうよべないが―から不思議な音が流れてきた。
ギターの音だった。
人は名も知らぬ少年の奏でるギターの音に聞き入った。
不思議に音色ひとつひとつから人々の心に勇気と希望を与えた。
この事が、この町の復興に繋がったのは確かだった。
そのギターが“ソミア”だった事は、誰も知らなかった。
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