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吹野はざっくばらんに“ソミア”に関する事を少しだけ話すと、さも「そのギターに価値があるか、お前らにはわかるまい」という顔をした。 奏はその顔に不快感を抱いた。 「さぁそのギターを渡せ!いや、売ってもらいたい。いくらだ?聞いていたろう、そのギターは君がこんなところで管理も不十分に持ち歩いているような代物じゃないんだ。どっかの金持ちに売り付けて自慢のコレクションにさせて、しっかり管理しておくものなんだ。そうだ、こうしよう、君の言い値で買おう。いや、連絡先を教えてくれ。無事売れたら売値の三割を君にやろう。私の交渉術があれば三割だってかなりのものだ。その金で新しく、買い直すといい。さぁさぁ」 吹野は一気に捲し立てた。 回りでそれを聞いている群衆もあきれていた。 奏もそう思っていたが、その思いは揺るぎのないものだった。
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