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「……ん……此処は……?」
目を醒ますと、そこには一面の白い空間。
壁ではない。
雲でもない。
雪でもない。
ただ、目の前に広がるのは何処まで続いているのかも分からない、方向すら解らなくなるほどの白。
そこで目についたのは
黒いスーツに身を纏い、背中には真っ白な羽を生やした男の人がいた。
そもそも、羽が生えている時点で【人】と呼んで良いものなのだろうか。
すると、その人は私の視線に気付いたのか、こちらに向かってくる。
「浅見世羅(アサミ セラ)さんですね」
何故、私の名前を知っているのか疑問に思ったが、この疑問は直ぐに解決してしまうのだった
「は、はい……あの、此処は何処何でしょうか?」
私がそう尋ねると、その人は目を丸くした。
「……【あの方】から何も聞かされていないのですね…
あ、失礼。私はここ、【天国】の管理人のユマ=セシルと申します。
以後、お見知り置きを。」
ユマはそう言って名刺を私に差し出した。
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