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ヒカル
原石
宝石
それは
ヒカル
奇跡
ここは
ビルが立ち並ぶ
都会
歩いてる僕は
自分の足音すら聞こえない
ヘッドホンからは
トライアングルの音色に似た歌声
そこには
誰もが立ち止まる
可愛い女の子の
ストリートライヴ
僕はヘッドホンを外して
女の子の歌声を聴いた
「お兄ちャン」
振り向くと
どこかで見たような
雑誌から出てきたみたいな
男の人が僕を見ていた
「バンドとか
やってるの?」
「僕?
いや、可愛いから見てみただけ」
「目立つよね
身長いくつ?」
「180ちョい」
「歳は?」
「15」
「15!?
ガッコどうしたんだョ」
「いや、
あと卒業するダケなんで」
「は?
今、10月だろ?
も―高校決まッてんの?」
「うち、
ママンが中卒でィイって」
「ぶッッ」
男の人は
手に持ってた
映画のパンフみたいな
小冊子で口元を隠した
「…
あ、笑ッたでしョ」
「何を?」
男の人は
笑いを堪えていた
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