room 1

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いつから好きになったかなんて、正確には覚えていない。 ただ毎日言葉を交わす度に、会いたいという気持ちが募っていったのは確かだった。 最初のうちは本来の意味ではなく、ただバーチャルな世界だけで。 しかし、日を重ねるごとに……バーチャルな世界で会えば会うほど、その言葉の実際の意味が、私に重くのし掛かった。 毎日会えるのに、会えない私たち。 そんな私が毎日すがるように楽しみにしていたのは、画面上にあなたの名前と一行の言葉が表示されることから始まる時間。 『キョウスケ さんが入室しました』
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