遺言

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大学時代の同級生仲間で、1年の時から付き合ってるカップルがいました。    仲良しで、でも二人だけの世界を作ってるわけじゃなく、みんなと仲良くしてました。    私は女の方の一番の友達だったんだけど、彼氏とも仲良くしてたわけです。    大学を卒業しても交流があったし、何度か会った時も二人は一緒で、    本当に仲良しだなァって思ってたわけです。最後に3人で会った時、    「結婚しないの?」って聞いたら、「うん、まあね…。」とお茶を濁す様な返事。    その後、彼女が病気だった事がわかって入院して、    彼は仕事の行きと帰りに欠かさず彼女のお見舞いしてました。私も何度も行きました。    病名は水頭症(脳腫瘍の一種?)でした。    結局、治療も空しく、彼女はこの世の人ではなくなってしまったんです…。    私たちが25歳の夏でした。 お通夜と告別式の手伝いに行った時、喪服を着てチョコンと座ってタバコを吸っている    彼に、 「…、なんて言って良いか、わかんないよ…。」と泣きながら私は言いました
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