遺言

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数日後、少し落ち着いてから、彼と会いました。見て欲しい物があるって。    それは彼女が昏睡して意識を失う前に書いた、最後の手紙だったんです。彼が、   「俺はね、アイツを励まそうと思って、『結婚しようよ。』って言ったんだ。    そうしたら、アイツは『病気が治ったら結婚届けを出そうね。』って言ってた。    俺は『間違いなく治るからさ』って励まして、役所に行って結婚届け貰ってきた。    でも俺は本当はもう無理だって知ってたんだ。でも励ましたかったんだ。    アイツが死んだ日に、アイツのお父さんが黙ってこれを渡してくれた。」    と言って、私に手紙を渡してくれました。
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