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すると中から60歳ほどの男性が店から出てきた。 「今日はあいにくの雨…そこでは寒かろう… 中へお入り」 おじいさんの優しい言葉に返事もせず、俺は中に入る。 「何か…悲しいことがあったんだろうねぇ… おっと、 詳しいことは聞かないよ。 そんな野暮な人間じゃないから…」 次は店の中のベンチに座る。 「おじいさん… 看板…」 俺はうつむきながら看板を指さして尋ねた。 「あー彼女かい? あんたわモテそうだから必要ないと思うんだが… 気になるのかい?」 おじいさんはいたって笑顔… 近所にいたら、うるさくて厳しいが、みんなから愛されていそうなタイプだろう… そして机にココアを置いてくれた。
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