15人が本棚に入れています
本棚に追加
私の心の中で君は何度も何度も繰り返し息絶えます。
理由は様々です。
時には私が殺してしまうこともあります。
私は君が死ぬ度泣きます。
何度も何度も繰り返し泣きます。
それはなぜなんでしょう。
君に問いかけてみました。
君はおかしそうに笑って言います。
僕は死んでないよ。
でも私は確かに見ます。
君が死ぬところを何度も見ます。
耐えられずに私は逃げました。
振り返って見ても君はいませんでした。
走っているうちに涙が流れてきました。
どうして私は泣いているんでしょう。
私はかまわず走ります。
そうしたら道に君が落ちていました。
死んでいました。
道につぶれた蟷螂のようでした。
私は泣いていました。
けれども君を見る目は冷ややかです。
私はいったいどうしたというのでしょう。
やがて空は黒くなりました。
君は動きません。
いつも君はどうやって生き返っていたのか思いだそうとしました。
思い出せませんでした。
私はその場を立ち去りました。
私は何を思ったか
落ちていた刃物を首に当て
脂肪の切れる
生暖かい赤
白い視界
ふにゃん
という感触を感じ
そのまま死にました。
そうして私はまた何事もなかったかのように君に会うのです。
最初のコメントを投稿しよう!