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視線をやる度、思い出す。
自分の敵を尽く切り倒し、覇王に手を出してまで、自分のことを思って消えていった、あの男を。
不似合いなほどに律儀に恩を返してきた、あの姿。
そして、脳裏に焼き付いて離れなくなってしまった、あの時の笑顔を。
「我が生きていようと…貴様が居なければこの景色には意味が無いではないか。愚か者が」
彼の時刻は 死神によって 過ぎてゆく
残酷な程 ゆったりと
哀しいほどに しっかりと
豊臣秀吉により 明智光秀という死神は葬られたという
そんな 毛利への感謝という
死神の 最期の微笑み
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