1 少年と少女

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彩とは幼なじみだ。僕が彩の事を好きになったのはいつだったか、自分でも分からない。 僕の一番古い記憶の中にはもう彩がいて、きっとそこから10年以上かけて少しずつ好きになっていったんだと思う。 それでいつの日だったか彩が他の女の子と違って見えるのが、幼なじみだという理由以外にもあると気付いた。 その時から今まで長い期間があったにも関わらず彩に告白しなかったのは多分、いつも近くに彩がいたから安心していたんだと思う。 もう僕達は高校生だ。高校生にもなって恋人の一人もつくらない訳が無いんだ、普通は。 それでも僕はこのままの関係で何も変わらず、彩といつまでも一緒にいると、何故だろう、漠然とそう思っていた。
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