1 少年と少女

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僕の身勝手な考えとは裏腹に彩は知らない所で立派に大人へと向かって生きていて、僕一人自分達の成長に気付かずいつまでも子供のままでいたんだろう。 勝手に特別だと思っていた彩も、同年の男子よりも先輩に憧れを抱く、ごく普通の女子高生になっていたのだ。 彩が先輩と付き合った時、とても後悔した。 こんなにも一緒にいて僕は何をしていたんだろう。 何年もかけて芽生えた恋の終わりがこれじゃああまりにも呆気なくて、寂しい。 せめて好きだという思いだけでも伝えておきたかった。 でも、彼氏彼女の関係の中にただの幼なじみが入り込む隙間は何処にもなくて、そこにはどうする事もできない現実が確かに立ちはだかっていて、僕は一人いつも煮え切らない気持ちでいる。
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