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フワフワと子どもの手から離れて
空を舞う風船
子どもは泣いて手を伸ばす
届くはずもない
高く高く舞い上がる風船
そのうち、あんなに泣いてた子どもは
諦めて手を伸ばすのをやめて
家に帰る
風船は寂しそうに空を一人で舞う
いつ割れるか
不安に襲われている
鳥につつかれて割れるかもしれない
あんなに欲しがられて買ってもらえたのに
こんな仕打ちはひどいと
涙を流し、いつまでも舞っている風船
いつか仲間に逢えることを願って
泣くのを止め、ただただ舞う風船
僕はそれを
じーっと見つめていた
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