プロローグ

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「てな訳でよぉ、間一髪ってところで俺達はあの化け物の巣窟から命からがら帰って来た訳よ」 男はそう言いながら手に持ったジョッキのビールを飲み干した。 そこら中でその男のように酒を煽り、大騒ぎしている。 ここはブリッグス高原の一角にある街、ソルディオンの酒場。 そんな酒場の一角に、何やら沢山のチラシの貼ってある掲示板があった。チラシの殆どはパン屋のバイト募集の張り紙から、ベビーシッターの募集など様々。 そんな掲示板の前に佇む一人の男。 その名はカリス・クロスフィールド。体付きは良く、長身。顔は一言で言えば美形の部類に入るだろう。 そんな彼は掲示板にあった、一枚の煤けた貼り紙を引きちぎる。それに書いてある文字を目で追いながら、口元に小さく、ニヤリと笑みを浮かべた。
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