愛を知らない音

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「もしもし?唐揚げ弁当を1つ。住所は……」 僕の名前は他谷 優気(タダニ ユウキ)。 本当なら今日から高校生のはずなんだけど僕には人とは違った所が有る為に自分から受験しなかった。 その違った所とは…… 「痛い!?また足をぶつけちゃったよ……やっぱりまだ1人暮らしは馴れないな……」 生まれてこの方光を知らない。 つまり障害により全く目が見えない。 しかし目が見えない為か耳と鼻が異常に発達し、人の呼吸音で気配を感じ取ったり、微かな匂いで物を判断することが出来る。 匂いで判断出来るのは物だけではなく、朝の太陽の匂い、夜の落ち着いた匂いを判断することも出来る。 因みに季節も例外ではなく、4月の匂いは冬の匂いがまだ残っているものの春の匂いが微かに混じり始めている感じ。
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