愛を知らない音

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「えっ……?」 僕は驚き、戸惑った。     『手伝う』 その言葉は中学に入ってから初めて聞く、自分に向けられた言葉だった。 「じゃあ始めよっか?」 「うわっ!?」 僕がそんな事を考えているといつの間にか隣に立っていた美希ちゃんに突然声を掛けられてかなり驚いてしまった。 「むー!そんなオバケが出たみたいな反応しなくてもいいじゃない!!」 「ご、ごめんなさい!?」 僕は何時もイジメてくる男子達にする様に土下座をしながら美希ちゃんに謝った。 「えっ!?何で土下座するのっ!?」 「ごめんなさい!!ごめんなさい!!許して下さい!!」 僕は彼女の声が聞こえず一心不乱に謝った。 すると突然、甘い香りと共にフワッ、とした感触に包まれた。
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