序章

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退屈な毎日だった 平凡で代わり映えのない日々だった 何か変化がほしいと、そう願った そんな曖昧で身勝手な彼の願いを、運命は受け入れた 彼は今、海岸に流れ着いていた その体に深い傷を負って ――どうして……… 彼はほとんどない意識の底で思う ――どうして俺は……… 波の音を聞きながら、虚ろな双眸が空を見つめる ――こんなところにいる………? 波の音が遠くなる 空の青が薄くなる ――ここはどこだ? ゆっくりと世界が闇に落ちる ――俺は……誰だ………?
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