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城に着いたアレンは会議室に飛び込んだ。
包帯だらけのシェイラが腕を組んで難しい顔をしている。
「シェイラ!南がやられた!」
「知ってるわ。今作戦を考えてるから………」
地図を睨む顔は真剣そのもの。
たまに舌打ちをしながら目を地図に走らせた。
「………恐らく敵の主力は南に集中している。ここに来るか、中心を抑えに来るか………」
独り言のように呟くシェイラ。
アレンもその様子を困ったように眺めた。
「あ、アレン………」
「ん?」
「下ろしなさいよ……」
アレンにお姫様抱っこの形で抱えられたエリア。
満更でもなさそうに顔を赤らめながら俯いた。
「あ、ごめん。」
「よし、決めた。」
2人のやり取りには全く興味を示さず、シェイラが立ち上がる。
「決めたって……何を?」
「今後の作戦よ。」
シェイラは地図を指差し、続けた。
「今から全軍で中心突破。そのまま進攻、敵の城を落として試合終了。」
傷を気にする様子もなく、シェイラは立ち上がると会議室を出た。
残された2人も戸惑いながら続いた。
城の周りの生徒、シェイラの隊の生徒が集合する。
「全員、よく聞いて。これから全指揮をアレンに一任する。アレンに従って、敵の城を落とすの。」
「は?はい?何言ってるんだ?」
アレンはいきなりの指示に首を傾げる。
「恐らく南からの進攻が来るだろうから、私が残って城を守る。恐らくもって半日だから、それまでに何とかするの。わかった?」
戸惑う生徒を無視し、一息に説明をするシェイラ。
「でも、お前、傷が………」
「私を誰だと思ってるの?」
不敵な笑みを浮かべ、包帯を解くシェイラに、ただアレンは圧倒された。
「戦力は1人でも多い方がいい。だからエリア、あなたも進攻に参加して。」
「わ、私も!?」
「ちょっと、ちょっと待てって!」
「時間がないわ。ほら。」
南の砦から生徒が来ている。
確かに論議の時間はなさそうだ。
「くそっ……みんなついて来い!」
「それでいいのよ。さあ、行ってらっしゃい。」
アレンを含め、残り30人ほどの生徒が森へ走る。
シェイラはその後ろ姿を見届け、詠唱を始めた。
「……ディフュース・ブリザード。」
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