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「……さて、これに触れて試合終了か?」
「ちょっ、ちょっと!」
戸惑うエリアをそのままに、水晶に触れた。
「………制圧だ……よな?」
地図の城が赤に染まった。
同時に空に赤い花火が上がる。
「よ~し、勝った勝った。おめでとうゼリアル!」
「ま、待ちなさいよ!」
エリアが意味不明といった様子で叫ぶ。
「あんた誰よ!アレンは!?何て強さなのよ!意味わかんない!!」
「あーあーうっさいうっさい。ちゃんと説明するから落ち着け。」
空には花火が上がっている。
藍色のアレンがエリアに微笑んだ。
「まず俺の名前。俺はランスロットだ。聞いたことあるか?」
「ランスロット……?あ、あのアーサー王の騎士の?」
「おお、さすが貴族のお嬢さん。知ってるか。」
「でも、あれは伝説上の……って何百年前の話よ!?そもそもあんたはアレンでしょ!!」
いまだ釈然としないエリア。
説明に困ったランスロットが苦笑する。
「んなこと言ったってなぁ……俺はランスロットで、このアレンっちゅーのを宿主に選んだんだよ。」
「……で、何でその伝説の騎士が出てきたのよ?」
「よくわからんけど……宿主が瀕死になったら出てこられるみたいだな。いやあ、外は久しぶりだ。」
伸びをするランスロット。
エリアは信じられず、その様子を睨んでいる。
「あ、アレンはどうなったのよ!」
「多分ここから出たら戻るんじゃないか?一応今も意識はあるだろうけど。」
「意味わかんない!もっとちゃんと説明しなさいよ!!」
「う~ん……そうも言ってらんないみたいだなぁ………足、見てみろ。」
「足?…………!!」
2人の足が光り、解けるように消えていた。
「ま、次はいつになるかわからんが……」
すでに腰まで消えたランスロットが笑って手を振る。
「またな、貴族の小娘!」
「ちょっと!待って!!私は……」
私は小娘じゃなあぁぁぁい!!!
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