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「お腹にいる時は女の子だと思っていた子供が、生まれて来たら男の子だったんだ…。」
二人は自分達の子供の誕生に喜んだ。
しかし、それと同時に男の子だという事実に戸惑い悩んだ。
男の子の場合、里子に出される。それだけは避けたい。
それに加え、葵は元々体が丈夫なほうではなく、今回の出産も自分の命を削りながら望んだのだ。
葵の体も、自分の子供も失いたくない!
英二郎は決意した。
この子を「女の子」として育てようと。
それから二人は必死だった。
大祖母にバレないように皮膚に病があると嘘をつき、決して綾千代の裸を晒さなかった。葵は綾千代を守るため終始付きっきりで綾千代を見て来た。
しかし、10年前。
綾千代が7歳の時、葵は長年の苦労が祟り、病に倒れた。
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