運命のイタズラ

13/18
前へ
/60ページ
次へ
「お腹にいる時は女の子だと思っていた子供が、生まれて来たら男の子だったんだ…。」 二人は自分達の子供の誕生に喜んだ。 しかし、それと同時に男の子だという事実に戸惑い悩んだ。 男の子の場合、里子に出される。それだけは避けたい。 それに加え、葵は元々体が丈夫なほうではなく、今回の出産も自分の命を削りながら望んだのだ。 葵の体も、自分の子供も失いたくない! 英二郎は決意した。 この子を「女の子」として育てようと。 それから二人は必死だった。 大祖母にバレないように皮膚に病があると嘘をつき、決して綾千代の裸を晒さなかった。葵は綾千代を守るため終始付きっきりで綾千代を見て来た。 しかし、10年前。 綾千代が7歳の時、葵は長年の苦労が祟り、病に倒れた。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加