あなたが好きだから

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「あれ?拓ちゃんじゃん。」 ヒカルの言葉に後ろを振り返ると、長身の男子が立っていた。 どうやらヒカルの知り合いらしい。 「おう、ヒカル。お前らここで昼飯食ってんだ。悪趣味だな。」 男子はそう言いながら、ヒカルの隣に腰を下ろした。 この人、凄い整った顔してるな~。身長も高いし…福○雅治を20歳くらい若くした感じだ。えらい男前。 あたしの視線を感じ取ったのか、男子がこちらを振り向いた。 「君…高梨鞠緒だよね。俺、奈良橋拓海(ナラハシタクミ)よろしく。」 男子の口から意外にもあたしの名前が出た事にびっくりした。 「へっ?なんで知ってんの?!」 「あれ?ヒカルから聞いてない?俺、高梨さんの事好きなんだよね。」 な、な、なんですと? あたしの事が好き? 「うっそだぁー!うそうそ!やめてよ!」 余りの事にテンパり過ぎて思いっきり否定してしまった。 顔が完熟トマトのように真っ赤になっているのが分かる。 「うん、嘘。」 拓海はしれっと答えた。 嘘かよ!一瞬でも本気にした乙女心を返せよ。
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