あなたが好きだから

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「まだこちらに来たばかりだろうし、制服もすぐには用意出来ないだろう。しばらくは前の学校で着用していた制服で過ごす事になるがいいかね?」 この高校は男女共にブレザーであり、綾千代が以前通っていた高校は、女子はセーラー服、男子は詰め襟だった。 さすがにこの高校では目立つが、制服が出来上がるまでは致し方ない。 「はい、構いません。」 「分かった。では君が入るクラスの担任を紹介するのでちょっと待っててくれるかね。」 そう言うと校長は、もと来たドアから職員室へ入って行った。 綾千代は少しだけ重い雰囲気から開放され、ホッと胸を撫で下ろした。 昨日今日で思い付いた事への実行力には、自分自身でも驚いていた。 些か強引な案ではあったが、鞠緒の両親や自分の父が理解してくれた事が一番の後押しになった。 ありがとう、綾千代は小さな声で呟いた。
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