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沈黙を破ったのは綾千代だった。
「あなたが…わたくしの事をよく思っていない事はわかっています。でも、わたくしはあなたの許婚です。一緒にいたいと思うのはいけないことでしょうか?」
個室に綾千代の声が響く。
「許婚は親が決めた事でしょ?別にあたしはなんとも思ってないし、あたしより女らしい綾千代を認められない!」
その言葉に綾千代の表情が変わった。おもむろにあたしの両腕を掴み、体を壁に押し付けられた。
綾千代の顔が数センチしかない距離にある。
先程よりも強く心臓が脈打つのがわかった。
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