気持ち、ウラハラ

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……視線が痛い……。 夕食の準備が出来、家族揃って食卓を囲んでいるのだが…。 目の前に座る綾千代からの視線をビシバシ感じる。 お願いだからご飯くらい静かに食わせてよ。 「鞠緒さん…コロッケお取りしますか?」 「いや、結構。」 気を使って話し掛けた綾千代をあたしは思いっきり突き放した。 あたしの冷たい態度にシュンとしている綾千代を見た母が、 「鞠緒!あんたは綾ちゃんがせっかくそう言ってるんだからご厚意に甘えなさいよ!可愛くない!」 と、再び怒られた。 最近はすっかり綾千代LOVEの母の態度にイラッとした。娘はあたしだろ! 「はいはい!ごめんね、ごめんね~!」 「まぁ~!可愛くない!」 「ど~せあたしは可愛くないっすよ!」 我ながら大人げないとは思う。 だけど、売り言葉に買い言葉。ついついやりあってしまった。 そんな様子をよそに、スポーツ新聞片手にビールを飲んでいる父さんとは違い、綾千代はオロオロしっぱなし。 「あのっ…やめてくださいお二人共。わたくしがいけないんです。」 2人の間に割って入り、必死に親子喧嘩を止めようとする綾千代に、母は「ごめんなさいね。」と謝っていた。 あたしは何だか納得いかず、「ごちそうさま。」とだけ言い残し、部屋に戻った。
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