運命のイタズラ

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ようやく見慣れた建物達が連なる住宅街までたどり着いた。 「はあ…はあ…ここまでくれば安心だ。」 息が上がり少し苦しい。 さすがにここまでは追って来ないだろう。 たまにだけど、女の子から告白を受ける事はある。多分、172㎝ある身長と父親譲りの男顔にショートカットというのが原因だとは思う。 だけど、あそこまで必死なのは今までなかったな。しばらくはあのCDショップ近辺には近付かないようにしよう。うん。 そんな事を考えながら歩いていると、通りの奥に我が家が見えて来た。 ここらへんの住宅街は分譲住宅地で、同じような建物が多い。だけど、うちの母親のガーデニングの趣味が爆発し、あたしの家の周りは緑で埋め尽くされている。 友達に、「鞠緒の家どこ?」と聞かれたら、「緑が自己主張しすぎる家。」と答えると一発で分かるらしい。
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