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ドキドキ…
凄く緊張する…。
転校初日を向かえ、私は担任の早川先生の後ろを静かに歩きながら、これから自分がお世話になる教室へ向かっている。
予鈴が鳴ったというのに、ザワザワと騒がしい。
都会の高校とはこんな感じ何だろうか…。
私が前いた学校は予鈴が鳴れば、遠くで鳴いている鳥の声が聞こえるくらい静かだった。
その違いが、益々緊張感を掻き立てている気がする。
「神野さん、大丈夫ですか?凄く緊張しているみたいですが。」
「え…はい、やはり緊張はしてますが大丈夫です。ありがとうございます。」
早川先生は私を気遣い、優しく声をかけてくれた。少しだけ和らいだ。
しばらく歩くと、2-Cのクラスが視界に入った。
まだ先生が来ていないせいか、廊下で座り込んで話している生徒もいる。
「コラッ!お前らもう予鈴鳴っただろうが!早く教室入れ!」
怒鳴られた生徒達はそそくさと教室に戻って行った。
ビックリした。
温厚だと思っていた早川先生の変わりように。
思わず私まで怒られているような感覚になった。
「では入りますよ?」
そう言い振り向いた早川先生の顔は先程と同じ、優しそうな表情に戻っていた。
逆らわないようにしよう…、そう思わずにはいられなかった。
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