運命のイタズラ

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「ただいま~!」 ドアを開けると香辛料のいい匂いがしてきた。今日はカレーだな。 「お帰りなさい、鞠緒。」 奥からエプロンを付けた母親が出迎えてくれた。 「母さん、夜カレーでしょ。なんかあんの?」 高梨家は特別な事があると、一流レストランのコックだった母親が本格的なカレーを作る。 かなり評判がいい。 なんせ、一週間も前から仕込みにかかるのだ。 「あらっ、あんたは鼻がいいのね~!それが成績にも表れればいいのに。今日は、17年振りにお父さんのお友達が来るのよ。だからおもてなししないとね。」 そういいながらキッチンの方に戻って行った。 …会話の途中、いらぬ事を言った件については聞かなかった事にしよう。 それにしても、父さんの友達が17年振りに来るのか…って事はあたしは会った事ないな。 どんな人か楽しみだ。 あたしは階段を軽快に駆け上がり、自分の部屋に向かった。
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