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部屋のドアを開けると、凄い違和感を感じた。
というか、
「だ、誰だ!?」
白を基調とした家具達で固められた部屋に、真っ赤な着物を来た黒髪の少女が立っていた。
それは一際目立ち、まるでこの世の者とは思えないくらい綺麗だった。
「もしかして…鞠緒さん?」
幾分ハスキーな声だが、か細い声だった。
「えっ…?そうだけど、誰?」
「挨拶が遅れて申し訳ありません。わたくし神野綾千代(コウノアヤチヨ)と申します。」
少女は礼儀正しく、深々とお辞儀をした。
漆黒の肩で切り揃えられた髪の毛といい、クッキリとした目鼻立ちといい…凄い美少女。
まさに大和撫子。
そんな女の子が何故あたしの部屋に?
「あの…何であたしの部屋に…」
「鞠緒~!言うの忘れてた!お父さんの友達のお子さんが先に遊びに来てたの。ごめんね~。」
少女に問い掛けようとした矢先、母親が階下から声を張りながら言ってきた。
おいおいおい、先に言えって。
「クスッ。鞠緒さん、まだ帰っていらしてないって聞いて、お部屋で待たせていただいたんです。ごめんなさい。」
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